調査会社が毎年発表する「都道府県魅力度ランキング」をめぐり、一部の県がやきもきしている。初の最下位に沈んだ栃木県では知事選の論点になる事態に。「魅力度」って測れるものですか。
「つらかった。『魅力度ランキング』で最下位になり危機感を持ったし、リーダーシップで批判も受けた」
栃木県知事選が投開票された15日。新顔候補を倍以上の得票差で破り5選を果たした福田富一知事(67)だが、選挙戦を振り返る言葉には苦しさがにじんだ。敗れた新顔の田野辺隆男氏(60)も、告示前の街頭演説で「納豆(茨城県)にイチゴ(栃木県)が負けてどうする」などと発言して批判を浴び、謝罪に追い込まれた。
県政界を揺るがしたランキングが発表されたのは10月14日。福田知事はすぐさま上京し、調査したブランド総合研究所(東京都港区)へ出向いた。「魅力を測る指標が適正なのか」と疑問を呈し、さらに「魅力度」だけが抜き出されていることを問題視。「居住意欲度」「観光意欲度」などほかの複数の調査結果を総合したランキングとするよう直談判した。
地元に戻り、記者から「民間の一指標に対し大人げないのでは」と問われると、「県民の声に応えて行動を起こすのは当然。栃木県の価値を高めるのに必要だった」と語った。
40位だった群馬県は「魅力度を測るツールとしては信頼性に欠ける」(山本一太知事)として県庁にランキングを検証するチームを設置した。昨年まで7年連続の最下位だった茨城県は「いばらきビリ県脱出連携会議」をつくり、観光地や特産品をPRするなど官民で取り組んだ。その結果、今年はやっと最下位を脱出して42位に。20代を中心に評価が上がったという。「(最下位が続いたことで)逆に魅力についてメディアで取り上げられた」と喜ぶ。ただ、北関東以外に目を向けると、ランキングに動じない県もあった。45位の佐賀県の担当者は「ランキングを受けて県としてなにかしていることはない。ランキングを上げるために仕事をしているわけではないので、気にしていない」。
ランキングはどのような経緯で生まれたのか。
■「誰よりも順位を気にしている…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル